トリスタンの登場場面
アプリコットキャンディとレディオブシャーロット.
玄関前のバラ達.
参道から見るバラ花壇.
オペラの人物登場場面で心ときめかせる場面をあげるとすれば、オクタヴィアンが銀のバラをもって登場する「バラの騎士」、救世主ローエングリンが白鳥が曳く小舟に乗って登場する「ローエングリン」、そして「トリスタンとイゾルデ」のトリスタンの登場場面の三つがあげられるでしょう(個人的な好みですが)。
特に一幕でイゾルデに呼び出されてトリスタンが登場する場面で力量がわかってしまい、そこでいかにカッコよく出てくるかがその後観たくなるかどうかの分かれ道になります。
CDの音声だけ聞いていてもよくわからないのですが映像でみると、間の取り方、動きに緊張感があるかどうかで最初に発する一声が左右されてしまうようです。
それは「バラの騎士」や「ローエングリン」にも言えることですが、特にトリスタン役は難しいなと感じます。
ここが上手くいくと、二幕のイゾルデとの密会場面での登場も決まるし、最後の三幕冒頭はトリスタンの独壇場なので、下手な役者がやると全く見る気を失くします。
今まで観てきた中では、1983年版バイロイト祝祭のルネ・コロと2009年版バイロイト祝祭のロバート・ディーン・スミスが好みで、もう一つ上げるとすれば1973年版オランジェ音楽祭、ビルギット・ニルソンの相手役ジョン・ヴィッカーズでしょうか・・・
ルネ・コロは小粒ながらスマートないでたち、端正なマスクで、当時としては一番の千両役者だったらしく、クライバーのCD録音でも起用されています。
ロバート・ディーン・スミスは紳士的ではありますが、チャーミングなところがあり、どこかのブログでかわいいと書いてあるものがありました。
ロバート・ディーン・スミスはメトロポリタンでデボラ・ボイトの相手役もやっていたのですが、デボラ・ボイトに色気が無く演出もつまらないものだったのを覚えています。
ビルギット・ニルソンの相手役、ジョン・ヴィッカーズはマッチョな感じで、70年代当時は太くて逞しいトリスタンが主流だったのかもしれませんが、どちらかと言うとルネ・コロやロバート・ディーン・スミスのようなタイプが好みです。
他にも様々なトリスタンを観てきましたが、心に残るものは上にあげたもの位でしょう
結局良し悪しよりも個人的好みを言っているだけなのかもしれませんが・・・
これから聴きたいと思うものは、過去のCD、フルトヴェングラー、クナッパーブッシュ、名歌手が歌っている名盤と呼ばれるものを聴いてみたいです。